命名
そういえばまだいってなかったが、名前は倫太郎にした。
なぜ「倫」かと聞かれる。人にとって最も重要で、僕に最も欠けているものの一つが「倫」だ。「倫」とは人としての道のことであり、要は人間関係にどう真摯に向き合っていくかということだ。現代風にいうと、ケータイメールをすぐに返すとか、そういうことである(たぶんね)。
孟子に次のようにある。昔、中国に堯という君主がいた。堯は荒廃した世の中を憂い、舜を登用して治めさせた。舜は治水を行い、五穀を植えて、民は豊かになった。しかし、たとえ飽食暖衣しているといっても、教育がなければ、それは獣と変わりがない。堯はこれを憂い、舜は民に人倫を教えた。その中身は、父子に親あり、君臣に義あり、夫婦に別あり、長幼に序あり、朋友に信ありということである。*1これを儒学では五倫とよび、仁義礼智信の五常と併せて、基本原則として尊重された。*2
五倫は少し古いところもあり、現代においてまた内容は少し変わってくるところもあるだろう。例えばケータイメールの返事を何食わぬ顔で二日目とかに送らないとか*3、今ではそういうことも大事なことかもしれない。またこれからも変わっていくだろう。ただ人を思い、真摯に行動するという本質的な部分は変わるわけではない。特に行動がむずかしい。僕くらいの人間になると、やろうやろうと思っていながら、ついついやらずに終わってしまうものである。そこを反面教師として真人間への道を進むように、愛を込めて決めました。